アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場 [映画]
現在、上映中のフィンランド映画
『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』を見て来ました。
第2次世界大戦中のフィンランドとソ連の戦い『継続戦争』を題材にした映画で、
フィンランドでは史上最大のヒットをした映画だそうな。
継続戦争といっても難しいので、背景を説明しないといけませんな。
1939年、ドイツのポーランド侵攻が始まると、
ソ連もバルト3国と不平等な条約を結ぶなど勢力を拡大し、
フィンランドにも無理な要求をします。
フィンランドは独立を守るため拒否、
1939年の11月末にはソ連が宣戦布告し戦争になりました。
ソ連軍の下手な作戦もあってフィンランドは善戦しますが、
結局は翌年3月に停戦し、フィンランド国土の10%に相当する
カレリア地峡を割譲することになります。
この戦争のことは『冬戦争』と呼ばれています。
これについては同じフィンランド映画の『ウィンター・ウォー』に詳しいです。
そして、1941年、フィンランドは
カレリア地峡など旧領土を奪還するために
ドイツなど枢軸国のソ連侵攻に合わせ戦いを挑みます。
それが『継続戦争』と呼ばれているものです。
ここまで説明して、ようやく映画の話に。
この映画では、フィンランド軍の機関銃中隊の兵士達の目線で
継続戦争が描かれています。
主人公は冬戦争を戦い抜いた歴戦の兵士、ロッカ伍長。
他にも婚約者を残して戦場に来た若き小隊長カリルオト少尉。
勇敢で行動力のあるコスケラ中尉。
占領した東カレリアのロシア人女性と恋に落ちるヒエタネンなど。
家族や恋人との安寧な生活を望みながら、
仲間の兵士達と最前線で戦うことを選んだ兵士達。
この4人のストーリーが絡み合うので、
2時間強の中では少し駆け足な感じもしますね。
この映画を見ての感想はフィンランド版『戦争のはらわた』。
途中からワタシにはロッカ伍長が
シュタイナー(ジェームズ・コバーン)にしか見えません。
優秀な兵士ではありながら軍や上官に反抗的なところ。
ロッカの使用しているスオミ短機関銃も
シュタイナー愛用のPPSh-41短機関銃の原型ですしね。
前半の美しい自然の中でのんびり展開するのと打って変わり
後半、過酷な撤退戦にどんどん命を落としていく仲間。
上層部の組織の体面に振り回される前線の兵士達。
生き延びるのが精一杯の中、
ロッカは自分の土地を失って腹いせで戦っているようにも見えて、
最後は死を覚悟していたのかもしれません。
フィンランドは、1944年にソ連と休戦し、
休戦条件として翻ってドイツと戦ったこともあり、
枢軸国の中では唯一、連合軍に占領されずに済みました。
フィンランド軍はソ連軍に大きな損害を与え、
映画のような無名兵士の犠牲がフィンランドの国土を守ったとも言えます。
同じ枢軸国として戦った日本とは戦争観が違うのかもしれませんね。
ただ、大国ロシア相手に北方領土を戦争で取り返すなんて言う
議員さんにはぜひ見てもらいたいですね。
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『アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場』を見て来ました。
第2次世界大戦中のフィンランドとソ連の戦い『継続戦争』を題材にした映画で、
フィンランドでは史上最大のヒットをした映画だそうな。
継続戦争といっても難しいので、背景を説明しないといけませんな。
1939年、ドイツのポーランド侵攻が始まると、
ソ連もバルト3国と不平等な条約を結ぶなど勢力を拡大し、
フィンランドにも無理な要求をします。
フィンランドは独立を守るため拒否、
1939年の11月末にはソ連が宣戦布告し戦争になりました。
ソ連軍の下手な作戦もあってフィンランドは善戦しますが、
結局は翌年3月に停戦し、フィンランド国土の10%に相当する
カレリア地峡を割譲することになります。
この戦争のことは『冬戦争』と呼ばれています。
これについては同じフィンランド映画の『ウィンター・ウォー』に詳しいです。
そして、1941年、フィンランドは
カレリア地峡など旧領土を奪還するために
ドイツなど枢軸国のソ連侵攻に合わせ戦いを挑みます。
それが『継続戦争』と呼ばれているものです。
ここまで説明して、ようやく映画の話に。
この映画では、フィンランド軍の機関銃中隊の兵士達の目線で
継続戦争が描かれています。
主人公は冬戦争を戦い抜いた歴戦の兵士、ロッカ伍長。
他にも婚約者を残して戦場に来た若き小隊長カリルオト少尉。
勇敢で行動力のあるコスケラ中尉。
占領した東カレリアのロシア人女性と恋に落ちるヒエタネンなど。
家族や恋人との安寧な生活を望みながら、
仲間の兵士達と最前線で戦うことを選んだ兵士達。
この4人のストーリーが絡み合うので、
2時間強の中では少し駆け足な感じもしますね。
この映画を見ての感想はフィンランド版『戦争のはらわた』。
途中からワタシにはロッカ伍長が
シュタイナー(ジェームズ・コバーン)にしか見えません。
優秀な兵士ではありながら軍や上官に反抗的なところ。
ロッカの使用しているスオミ短機関銃も
シュタイナー愛用のPPSh-41短機関銃の原型ですしね。
前半の美しい自然の中でのんびり展開するのと打って変わり
後半、過酷な撤退戦にどんどん命を落としていく仲間。
上層部の組織の体面に振り回される前線の兵士達。
生き延びるのが精一杯の中、
ロッカは自分の土地を失って腹いせで戦っているようにも見えて、
最後は死を覚悟していたのかもしれません。
フィンランドは、1944年にソ連と休戦し、
休戦条件として翻ってドイツと戦ったこともあり、
枢軸国の中では唯一、連合軍に占領されずに済みました。
フィンランド軍はソ連軍に大きな損害を与え、
映画のような無名兵士の犠牲がフィンランドの国土を守ったとも言えます。
同じ枢軸国として戦った日本とは戦争観が違うのかもしれませんね。
ただ、大国ロシア相手に北方領土を戦争で取り返すなんて言う
議員さんにはぜひ見てもらいたいですね。
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